30年にわたり北播磨の地域情報化をけん引
「続きはWEB(ウェブ)で!」
詳しい情報を得たい人を公式ホームページへ案内するフレーズとして、ほとんどの人の耳になじんでいることだろう。そのホームページを閲覧するためのツールのひとつが、今や生活必需品と言っても過言ではないパーソナルコンピュータ、通称パソコン。国内のおよそ7割の家庭が保有するほど、私たちの生活に浸透している(総務省 令和2年版情報通信白書より)。
日本では昭和50年代半ばから、地域情報化政策が推し進められてきた。地域社会の活性化や課題解決を目指し、情報通信技術を活発に利用するための取組を行った結果、コンピュータがインフラとして私たちの生活の隅々にまで浸透することとなった。
そんな国内施策に先駆け、北播磨の地域情報化をけん引してきた企業のひとつが、株式会社エルエルシーコンピューター(以下、LLC)だ。ITを利用して業務や営業の効率化を図りたい企業に、計画的に活用するための保守運用やIT資産管理のサポートを行っている。
昭和63年4月、加東郡滝野町(現・加東市)および神戸市北区でパソコン教室を開業。当時はパソコンの操作に不慣れな人が多く、職務上必要に迫られた人たちが中心となって足を運んでいたという。
実はLLCがパソコン教室を開校した背景には、地場産業を多数抱える北播磨地域への想いがあった。
地場産業を支えるシステムを開発しよう
北播磨地域の産業といえば、織物・金物・釣り針・そろばんであることは誰もが知るところ。LLCは、こうした「地場産業の基幹システムを支える企業」を目指しスタートした。
「当時、播州織のほとんどの商社や加工に携わる工場は、原糸・準備・加工といった一連の生産工程において、実際には必要な帳票は限られていたにもかかわらず、それぞれの担当者が独自の帳票を作成して管理を続けていたため、受注ごとの利益が見えないままビジネスを行っていたそうです。いわゆる『木を見て森を見ず』といった状態で、商談においてもどんぶり勘定にならざるを得ず、産地全体として利益を追求する体制ができていなかったようです」と藤井英徳社長。
LLCが行っているのは、こうした困りごとから解決すべき課題を探り、基本となるシステムを導入すること。さらに運用しながら検証しヒアリングを重ね、使いやすく改善していくことを繰り返す。扱うのはコンピュータシステムだが、向き合っているのは、あくまでも人だ。
そんな想いが息づいている製品が、「千客万来」と名付けられた販売管理ソフトウェア。三木市の金物商社からの依頼をきっかけに自社開発。高い汎用性に「LLCのノウハウすべてが詰まっている」と藤井社長が胸を張るように、30年もの長きにわたるロングセラーとなっている。
創業からしばらくは、一社ごとのオーダーメイドによる販売管理・生産管理を中心とした受託開発が主な業務だったLLC。次に手がけたのは、アプリ開発だった。
積極果敢に挑み続ける新たな事業領域
「補助金をいただいて取り組む初めての仕事は、公益性の高いものをつくりたかった」と話す藤井社長。そこで手がけたのが、北播磨にある店舗や施設、イベント情報などの地域活性化支援に役立つ検索アプリ「スマホDEきたはりま」だ。神戸市で開かれた産業展示会に出展したことで多くの人の目に触れ、他地域の観光協会や商工会、連携協議会などから声がかかり、福崎町や三木市など近隣地域の検索アプリも開発した。
こうした新事業への挑戦は現在も続き、令和3年4月には経済産業省が情報処理支援機関(スマートSMEサポーター*1)およびIT導入支援事業者(*2)としてLLCを認定。これにより、生産性の向上や経営基盤の強化を目指す中小企業に対し、それぞれの目的に見合ったITツールの選定や開発を促すことで、サポートを行うことができるようになった。
「生産性を高めるためのITツールとして、弊社の『千客万来』も登録されました。補助金導入の対象となるITツールは、全部でおよそ2万件。どれが自分たちにとって最も効果的なのかわからない企業には、課題解決につながるITツールのマッチングを、それらのツールを扱うITベンダー(ITに関連する製品をユーザーに販売する企業)には販路開拓を、それぞれお手伝いができるんです」
こうした新しい事業へ積極的に取り組む背景には、LLCならではの強みと藤井社長が大切にしている企業理念がある。
*1 スマートSMEサポーター:平成30年7月、経済産業省が創設した、中小企業のIT活用を支援するITベンダー等を情報処理支援機関として認定する制度(中小企業デジタル化応援隊事業)
*2 IT導入支援事業者:中小企業や小規模事業者のITツール導入支援のための、IT導入補助金の申請・報告・補助事業遂行を支援する事業者
競争から「共創」へ、パートナーシップを育みたい
「共に価値を創造するパートナー」
10年前、代表取締役を引き継いだ藤井社長が、新たに掲げた企業としてのあり方だ。
「目指しているのは、価値やサービスを一緒に創っていく会社。お客様だけではなく、同業他社にも認められるパートナーになりたい」と話す藤井社長の頭の中では、一つの構想が温められている。
それは「共創」をテーマに、北播磨で事業を営むIT企業やホームページ制作会社、デザイナー、カメラマン、ライターなどが提携し、一つの事業に共同で取り組む組織をつくることだ。
「元請け、下請けという関係ではなく、尊敬するパートナー同士としてお互いが外注先になり、事業を共有して一つのものをつくるイメージです。例えばホームページ制作では、SEO対策も、カメラマンの写真やライターのキャッチフレーズも大切です。それら全体を視野に入れて制作するには、自社が不得意なことも受けざるを得ません。さらに、一社だけで解決まで導けるITソリューション(顧客が抱えている難題・課題をITによって解決していくこと)も、なかなか存在しないのです。
共同で取り組めば、それぞれの専門分野を活かし合うことで、点ではなく面で顧客に対応できるため、様々な価値やサービスをつくることが可能です。また、いろいろな人とパートナー関係を築き創造したものは、50年後も価値ある商品・サービスとして残っていくのではないでしょうか。SDGs(国連が定めた持続可能な開発目標)の観点からも、地域の事業者同士が持続可能な発展を遂げるためには、パートナーとの協業は非常に大切だと思っているんです」
そんな組織化を目指すことができるのも、LLCに「オールラウンダー(多領域で活躍できる人)」という強みがあるからだと語る藤井社長。
システム開発、ネットワーク構築、セキュリティ管理、予約システムやECサイト構築、ホームページ制作、パソコン修理相談、IT導入支援、SME、システム認定、ITコンサルティング、ソフトウェア導入、保守点検サービス、パソコンインストラクター……。
様々な事業領域で業務を手がけ、育んできた各専門業者とのつながりをもとに、LLCがハブとしての役割を果たすことができるという。
こうした強みを活かすその先に藤井社長が見据えるのは、地域の情報リテラシー(大量の情報の中から必要なものを集めて活用するための能力)向上への貢献だ。
「このシステムがなかったら、今頃どうなっていることか」
「こんなに助かるんだ!」
初めてITを導入した企業が、感嘆の声を上げる。ある企業では、社員20数名とLLCスタッフ数名が行うやり取りを、全員が共有できるITツールを導入。時間も場所も問わず、瞬時に全員が連絡事項を確認できるため、画期的なスピードで業務が進むようになった。
「例えば、デジタルサイネージ(電子看板)の導入で来客数が増えた、動画を用いることでプレゼンテーションの説得力が増した、テレワークにスムーズに移行できるようになったなど、ITで解決できることは多々あります。ITの価値とは、こうした様々なノウハウを使って解決策を引き出し、組み合わせ、それぞれの会社の課題に適合させられることです」と話す藤井社長だが、実は本当の価値はその先にあるという。
「ITツールの価値は効率化だと思われがちですが、効率化によって時間が生まれることが本当のメリットです。時間ができれば次の方針を話し合うことができ、それが売上向上につながってゆくのです。ITは、売上を生むために必要なツールなんです」
課題に直面した時、ITを導入しようという発想が浮かぶ人は、まだそう多くはないだろう。北播磨地域の情報リテラシー向上を図るという地域貢献の一環として、啓蒙活動も含めた支援体制づくりを行いたいという。
「共創の想いに共感していただける人に、一緒に取り組んでいただきたいと思っています」
LLCも含めた北播磨の企業で働き続けたいと思えるよう、企業と社員が同じベクトルであることを目指している。
顧客との信頼を築き、ITの力で北播磨地域を育てたい
「企業と社員の見据える方向がイコールでなくては、お互いがしんどい思いをしますから」
社員時代、短期間で退職していく同僚たちを、何人も見送ってきた藤井社長。LLCを「働き続けたい」と思える職場にするために努力を重ねている。
「IT業界は、いろいろな企業の仕事を垣間見ることができる飽きない職場です。また働き方改革の一環として、令和2年に『ひょうご仕事と生活の調和』推進宣言企業(*3)に登録し、働きやすい職場環境づくりにも取り組んでいます」
求める人材はプログラマー。北播磨地域に情報リテラシーを育てるための土壌をつくることに、やりがいや喜びを見出せる人との出会いを期待していると話す藤井社長。
「ITはコミュニケーションです。会社が抱えている問題を自社の課題として共有し、話合いができる間柄になって初めて導入支援が行えます。効率化したい、売上を伸ばしたいという単なる目標ではなく、どのような生業で、どこへ向かっていくのかを見定めることが大切です。自分の軸になる部分を共有し、相談事を一緒に考えていける信頼関係をどれだけ築けるか。地域を育てる気持ちを持って、共に仕事をしていきたいんです」
*3「ひょうご仕事と生活の調和」推進宣言企業:働く人が意欲と能力を十分に発揮できるよう、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)が実現できる社会構築に取り組むことを宣言する企業
経営者紹介
代表取締役 藤井英徳さん
「プログラミングはするな!」
大学を卒業後、地元の西脇市に戻り、面接の際に県外への異動がない職場だと聞いた企業に就職しました。ところが、入社1年後に「異動がない」と言ってくれた上司が、県外へ異動になってしまったんです。長男の私にとって、地元を離れないことは一番大切なポイントです(笑)。
「私の働く場所は、ここじゃない」と思うと同時に、時代の流れはITに向かっていると感じ、LLCに転職しました。今から20年前のことです。
ずっと営業職を続けてきましたが、本当はプログラマーになりたかったんです。でも創業者の村上紳和に「プログラミングはするな」と言われ、ちょっとでも手を出そうとすると叱られて……。
村上は、人を指導することにとても長けた人。先に何があるかを絶えず頭の中で考えている人で、「先を読む力」を伸ばしてもらいました。
提案を行う仕事は、過去を見て、現在そして未来がどうあるべきなのか、お客様をリードしていく立場でなくてはいけません。いわば「先見の明」が必要な仕事ですから、とても意識していました。
そんな村上の仕事ぶりを一番近い場所で目にしていましたので、大変勉強になりました。目先の結果だけではなく、その案件を地域課題としてとらえる広い視野、行く末を想定したベストなありようを考えられるようになるきっかけをもらったと思っています。
一人ではカバーしきれない量になる仕事を、どこまで自分の中で理解して、どこから人に任せるのかを見極める。それが、職場での私の使命なのだと思えるようになりました。
LLCで働く意義を社員に育むために
私が社長職に就いて10年になります。血縁関係のない間柄で引き継いだ会社ですから、まずは会社をつぶさないことが私の最大の目標でした。
そのために最初に考えたことは、事業の軸をどこに置くかということでした。お客様のシステムを構築して納品するという繰り返しでは、受注が途絶えた時にどうするんだろう。常に先を見ながら前進し続けることを考え続けた結果、現在の保守運営に事業の軸を置くことができました。
現在LLCは、在宅スタッフ1名、アルバイト3名も合わせ、8名体制で業務に取り組んでいます。数あるIT企業の中にあって、LLCで働く意義を社員に育んでもらうためにはどうすればいいのか。創業者がつくり上げた会社で、私の色を出し続けていくためには、何をすればいいのか。そもそも私の色って、どんな色だろう。
そう考えるようになった時、企業理念を自分で説明できないことに気づきました。
「この会社をどうしていきたいのか、自分で説明できる理念に変えていけばいいんだ。むしろ、そうしなくては社長職を続けていけない」
私なりの企業理念を考えることが、会社の転機につながっていきました。
競い合うより活かし合う、それが企業の成長になる
社長職に就いた当時、仕事とは同業他社との競争だと思っていました。ITという枠の中で仕事をしている会社は、北播磨だけでもたくさん存在します。より安く、より早くを目指し、仕事を取り合うことも多々ありました。
もともとLLCは、取引先に個人・法人を問わず、どんなニーズにも応えるオールラウンダーでした。いわゆる「何でも屋」として、自社だけで「面」になってお客様に対応していたのですが、それがだんだんしんどくなり、それぞれのプロがいるのになぜ競争し合っているんだろう、あのIT事業者と仲良く仕事ができたらいいのにと思っていたんです。
そんな時、ある企業からSOSが届きました。案件の規模が大きく、一人で経営されているIT事業者では対応ができなくなり「何とかならないだろうか」というご相談でした。この出来事が、私の企業理念が生まれるきっかけになったのです。
成長段階にある企業は、ものすごい勢いで上がっていきます。そんな企業の案件が自社の許容量を超え、手に負えない規模にまで大きくなった時、同業他社と連携することで機会損失を防ぐことができるのではないか。
そして生まれたのが、「価値を創造するための、お客様や同業他社のパートナーになろう」というLLCの理念でした。自立したパートナー同士が信頼し合える対等な関係を築き、手を組んでいるイメージにたどり着いた時、私の頭の中がスッキリしたのです。
狭い世界で競い合い、専門性が息切れしてしまう「点」ではなく、個々のIT事業者が手を携え、お互いの強みを活かす専門性を集めた「面」となって、お客様をサポートできるアライアンス(異なる立場の企業同士が利益を生むために協力し合う体制)を組もう。何でも屋というLLCの特徴に目を向けたことで、周りと一緒に成長してゆく新たな発想につながりました。
既得権益の企業だけで埋まった業態にしてしまっては、仕事が回りません。地元に戻ってITの仕事がしたいという若者も都会に行ってしまい、この地域の情報化はますます遅れていくでしょう。
それを避けるためにも、情報リテラシーの向上を図り、地域のレベルを上げなくてはいけません。競争は「共創」でもあります。「共に価値をつくる」という仕事の軸に共感される環境を、北播磨地域に広めたいのです。
社員への感謝を明日の活力に換えて
令和2年2月、事務所の移転が決まりました。日々の業務が多忙を極めている時期に、新型コロナウイルスの影響も重なり本当に大変な作業でしたが、社員みんなの支えのおかげで無事に引っ越すことができました。
一人で取り組む覚悟でいた私を察し、社員たちが積極的に動いてくれたんです。みんなの底力を実感した日々でした。
「北播磨に、共創が根付く日もそう遠くない」
みんなのおかげで今のLLCがあることを思うと、素直にそう感じています。
従業員紹介
ICTプランナー・大橋美理さん / プログラマー・松家英紫さん
――LLCに入社されたきっかけは何ですか?
大橋美理(以下、大橋):岡山県で繊維関係の仕事に就いていましたが、播州織の企業へ転職するため5年前に西脇市にIターン。3年間勤務した後、デザイン会社を経て令和2年4月にLLCに入社しました。
きっかけは、前職で関わった播州織のイベントで、実行委員として一緒に参加していた藤井社長に「LLCに来ませんか」と声をかけていただいたことです。前の職場を退職するタイミングだったことと、藤井社長の人柄や判断力を尊敬していたことから、自分の力を活かしていただけると思い入社を決めました。
松家英紫(以下、松家):段ボールの製造会社勤務を経て、令和2年6月にLLCに入社しました。以前の職場で成果発表を行う際、パソコンを使ってプレゼンテーション資料を作成する機会がありました。資料ができあがった時の達成感が忘れられず、「今の仕事は、自分には向いていないのかな」と思うようになったんです。自分にはどんな職業が向いているのかパソコンで調べるうち、黙々と取り組めるコンピュータプログラミングに興味が湧き、働きながら独学で勉強を続けました。
その後、プログラマーの仕事を探し始めた時に見つけたのがLLCの求人でした。面接していただき、独学で勉強した努力を買っていただいて入社しました。
――おふたりの現在のお仕事を教えてください
大橋:「WEBサイトやアプリを作りたい」「ICT(通信技術を活用したコミュニケーション)を利用してプロジェクトを始めたい」など、お客様のご要望をうかがって実際に実現可能なことを導き出し、お客様やプログラマー、デザイナーと一緒に形にしていく仕事です。
お客様と技術者の間に立って、プランを考え提案するのが私の役目。お客様の意図を読み取って技術者に、専門用語も含めた専門知識をお客様に、それぞれわかりやすく伝える能力が求められます。私自身がIT業界は初めてなので、ICTに詳しくないお客様の目線で考えられることも強みだと思っています。
松家:私は、お客様や大橋さんのようなプランナーを、専門知識と技術でサポートするプログラマーとして、システム制作を担当しています。私もIT業界とは全く異なる業種から、経験がないまま転職しました。スクールに通ったわけでもなく、独学での勉強だけで入社したので、経験と実績を積み上げているところです。
LLCは、自分が勉強してきた内容だけでは、とうてい追いつけないほど成長力のある職場。次々に新しい案件が出てくるので、ついていくのに必死ですが、それに合わせて自分自身も新しいことにどんどん挑戦できています。
大橋:お客様のご要望が、新しいことばかりなんです。例えば新型コロナウイルスへの対策など、今まで存在していなかったものに対応できるシステムの構築には前例がありません。難しい仕事ではありますが、過去の経験や知識がないからこそ発想できる自由さもあります。
松家:転職するまで、夏は暑く冬は寒い製造現場を走り回っていたので、私にとってはオフィスワークそのものが「新しい」……(笑)。
私もネットや書籍で参考になる事例を調べながら、まだ自分にはない知識や技術を身につけています。それらをある程度自分のものにできたら、枠にとらわれず自分にとっての「新しいもの」を見つけられると思っているんです。
――仕事のやりがいは、どんなところで感じていますか?
松家:お客様のニーズに応えられた時、感謝の言葉をいただくと一番やりがいを感じます。
今、ECサイトの制作が集中し、そのシステムの構築や不具合の改修に取り組んでいますが、お客様の要望に応えるためにプログラムを組み、イメージ通りに動作するシステムを構築するのが一番難しいところです。ご希望に添えるよう、ベストな形に近づけるための提案を続けているところです。
大橋:私にとっても、お客様が喜んでくださることが一番の喜びです。意図をちゃんと読み取ることができ、最善の提案を導き出せたうえで、形として実現した時の達成感が何よりのやりがいだと思っています。
例えば、令和2年には「北はりま紅葉八景スタンプラリー2020(*4)」というプロジェクトの企画・運営を担当させていただきました。スタンプラリーの仕組みづくりからアプリやチラシの制作、プレゼントの発送まで手掛ける大規模な取組だったのでいろいろなスキルが必要でしたが、多くの方の協力を仰ぎながら盛況のうちに終わらせることができました。たくさんの人に喜んでいただき、本当にうれしかったです。
*4 北播磨広域定住自立圏観光部会による、4市町(加東市・加西市・西脇市・多可町)共通の地域資源「紅葉」を題材にエリア内周遊を促進するイベント。
――働く場所として、北播磨ってどうですか?
松家:西脇市出身なので、地元は居心地がいいんです。都市部で働くことを考えた時期もありましたが、のどかで自然も豊富な北播磨がやっぱり一番いいなと思いました。地元には知人も多いので、何らかのコネクションを生み出せればいいなと思っています。オフだけでなく仕事で一緒になれれば、また違う楽しみが生まれますよね。
大橋:移住後、北播磨にすっかりなじんでいると思っています。県外からの移住者を受け入れようとしてくれるアットホームな地域性を感じます。岡山にいた頃より地域の人とのつながりが多く、出かけるたびに主人にびっくりされるくらい知人から声をかけられます(笑)。このつながりを活かして、いろいろなコラボレーションができたらいいなと思っています。
松家:特に加東市は、行動力と実現力がある人たちが多いと感じます。一緒に仕事をしても、リーダーシップを発揮される方がたくさんいらっしゃるんです。
大橋:私も加東市には、地域の活性化に携わるリーダー的な人が多いというイメージがあります。また、兵庫教育大学の教員や学生さんたちに向けた学割クーポンアプリ(*5)の仕事で携わった地元企業の取材を通じ、多種多様で興味深い職場がたくさんあると感じました。
*5「兵教大生応援学割サービス」:加東市商工会と兵庫教育大学による連携事業の一つで、教員や学生たちが地元の企業・店舗に足を運ぶきっかけづくりとして開発された検索アプリ。
――これからLLCで取り組んでみたいことは何ですか?
大橋:弊社でも令和2年より、働き方改革が進められています。会社の中でも地域の中でも、仕事と家庭の両立をかなえる女性の働き方モデルを生み出せたら。やりがいを持って働き続けるためのスキルと経験を、どんどん身につけたいと思っています。
松家:私はアプリやゲームの制作に関わってみたいです。入社前、参考書を見ながら簡単なアプリをつくってみたことがあります。当時は遊ぶことが目的でしたが、仕事を始めてからは、地域に貢献できるものがつくれるようになれたらいいなと思っているんです。今は現場の最前線で、仕事を通して勉強させていただいているようなもの。まだ具体的なイメージは湧きませんが、自分でシステムを開発できるようになり、みんなが困っている地域課題を解決したいという目標ができています。
大橋:地域に貢献できる仕事をしたいという気持ちは、私も一緒です。地域活性を研究していた学生時代から、自分がいる地域に貢献できる仕事に就きたいと思っていました。
ICTは、これからますます求められる分野だと思います。ITのスキルを磨くのはまだまだこれからですが、大きなプロジェクトをみんなと一緒に進めていくことにやりがいを感じながら、地域の様々な分野に貢献できたらいいなと思っているんです。
――LLCへ入社したい人へメッセージをお願いします
松家:もっとITの知識やスキルを身につけ、自分の力を試してから就職すればよかったと思うことが多々あります。そんな経験から、IT関係の仕事経験がない人、専門学校でスキルを学んだことのない人は、ある程度身につけてから入社したほうがいいかもしれません。
私の場合、そんなスキル不足をカバーしているのはチャンレンジ精神です。いろいろなことを試してみたい好奇心や、やってみたい向上心は、絶対持って入社した方がいい。藤井社長からは「どんどん挑戦しよう!」という言葉をもらっています。LLCは、そういう姿勢を後押ししてくれる職場なんです。
大橋:自分が得意な分野や伸ばしたいスキルなど、想いを汲んでどんどん挑戦させてくれるのがLLCです。最近は、図書館によるライブ配信という、まったく新しい企画・運営に関わらせていただきました。新しいことが好きだったり、ルーティンワークに飽きやすい人にはおすすめの企業です。
LLCの職場は、一言で言えばアットホーム。働き方改革を採り入れるなど時代に柔軟に対応しているので働きやすく、いい意味で人のテリトリーに入り過ぎないバランス感覚を備えた社員ばかり。少数精鋭だからこそ、仕事を通じて必然的にスキルが身に付き、能力がアップしていきます。楽しさとやりがいを感じながら仕事ができる、素敵な職場です。
文:内橋麻衣子/写真:高橋武男
令和2年度 加東市商工会企業紹介PR事業