株式会社シゲマツ / スタッフが輝く会社を目指して。老舗ガソリンスタンドの新たな挑戦

株式会社シゲマツ / スタッフが輝く会社を目指して。老舗ガソリンスタンドの新たな挑戦

株式会社シゲマツは1962年(昭和37年)の創業以来、63年にわたり地域に根ざす老舗ガソリンスタンドです。現在は4代目となる重松さんが代表取締役を務め、従来のガソリンスタンド事業に加えて、今年の6月からエアコンクリーニング事業を新たにスタート。「スタッフが輝き、喜ばれる、感謝される、必要とされる会社になっている」をビジョンに掲げ、地域に根ざした企業として新たな歩みを続けています。

創業から半世紀以上にわたって地域の皆様に愛され続けてきた同社は、時代の変化に柔軟に対応しながら成長を続けています。現在は加東市に1店舗、西脇市に3店舗、多可郡多可町に1店舗展開し、地域のモータリゼーションを支えてきた実績は、地元の信頼の証でもあります。現在は26名のスタッフが在籍し、各店舗で質の高いサービスを提供しています。

目次

先見の明で始まったガソリンスタンド事業

先見の明で始まったガソリンスタンド事業
代表取締役 重松祐介さん(以下、重松さん)

━━会社の歴史と背景を教えてください

(重松さん)
弊社は祖父が1962年に多可郡多可町中区で創業しましたが、当時は車が3台しかない時代でした。ガソリンスタンドだけでは経営が成り立たないため、のりの販売も同時に行っていました。西脇の播州織が有名で、全国から修行に来られる方が多く、繊維にのりをつける需要があったんです。

当時の播州織は全国的にも非常に有名で、駅もあったほどです。川の辺りには多くの織物工場があり、全国各地から技術を学びに来る職人さんがいらっしゃいました。そのため、織物用ののりの需要は安定していて、祖父はその事業で生計を立てながら、将来性を見込んでガソリンスタンド事業を並行して進めていたのです。

祖父がガソリンスタンドを始めたきっかけは、神戸の親戚がガソリンスタンドで成功しているのを見たからでした。ただ、現在のような詳細な市場調査などはしていなかったようで、最初は大変苦労したと聞いています。車が3台しかない地域でガソリンスタンドを始めるのは、今考えると相当な挑戦だったと思います。

━━その後、時代の波に乗って成長されたのですね

(重松さん)
はい。時代の流れとともに車が普及して、ガソリンスタンド事業がメインになっていきました。現在は加東市に1店舗、西脇市に3店舗、、そして発祥の地である多可郡多可町店です。フルサービスの店舗では、お客様との距離が近く、長年のお付き合いをしているお客様が多いのが特徴です。地域密着型の経営を大切にしており、どの店舗でもお客様一人ひとりに丁寧な対応を心がけています。

━━現在の従業員数について教えてください

(重松さん)
現在はパートさんも含めて26名の従業員がいます。今年から初めて新卒採用にも挑戦しており、働きやすい環境づくりに努めています。

時代の変化に対応した多角化戦略

時代の変化に対応した多角化戦略

━━今後の事業展開についてお聞かせください

(重松さん)
今はちょうど転換期です。カーボンニュートラルの流れで、将来的にはガソリン車が減少していく可能性があります。そのため、ホーム事業部を立ち上げて、エアコンクリーニングや家庭周りの清掃業など、身の回りの生活サポート事業を充実させていきたいと考えています。

また将来的にはヘルスケア事業にも展開し、北播磨から兵庫県全体、そして日本全国へと事業エリアを広げていくビジョンを持っています。ただし、急激な拡大は考えておらず、しっかりとした基盤を築きながら段階的に成長していきたいと思います。

━━ヘルスケア事業とは具体的にどのようなものですか?

(重松さん)
化粧品や栄養補助食品などを考えています。実は一度挑戦しかけたのですが、販路の問題で断念した経緯がありました。

今後はまずホーム事業部をしっかりと軌道に乗せて、その次の段階でヘルスケア事業に取り組みたいと考えています。何事も段階を踏んで、確実に進めていくことが大切だと思います。

━━多角化を進める理由は何ですか?

(重松さん)
いろんな分野で専門性を持ちつつ、幅広い職種を用意することで、いろんな方がいろんなフィールドで働けるようにしたいと思っています。今後の人材不足を考えると、従業員に選択肢を提供することが重要です。

たとえば、車の知識がなくても清掃業務はできますし、逆に車が大好きな人にはガソリンスタンドの業務が向いています。一つの会社の中で、それぞれの特性や興味に応じて働ける環境を作ることで、長く働いてもらえる会社になると思います。

新たな挑戦:エアコンクリーニング事業

新たな挑戦:エアコンクリーニング事業

━━この6月からエアコンクリーニング事業を始められたそうですね

(重松さん)
はい。弊社は冬場は灯油の販売で忙しいのですが、夏場は業務量が少し落ち着きます。その時期を有効活用するためにエアコンクリーニング事業を立ち上げました。季節による業務の波を平準化することで、スタッフの雇用安定にもつながると考えています。

エアコンクリーニングは、とくに夏場の需要が高まります。電気代の高騰もあって、エアコンの効率を上げたいというお客様のニーズも高まっています。清掃することで電気代の節約にもつながるので、お客様にとってもメリットの大きいサービスです。

人材育成と働きやすい環境づくり

人材育成と働きやすい環境づくり

━━人材育成についてはいかがですか?

(重松さん)
各ジャンルのスペシャリストを育てたいですね。今後は「整備はこの人」「清掃はこの人」みたいに任せられるようになるのが理想です。

そのためには、スタッフが自分で考えて提案してくれることが重要です。私が指示するのではなく、スタッフから「こんな仕事がしたい」「こういうことをやりましょう」という意見が出る方が活性化すると思うので、そういう環境づくりを心がけています。


私はあまりバリバリ前に出るタイプではなく、みんながこう輝いて働いてくれるようにサポートしていくタイプです。スタッフから「こんな仕事がしたい」「こういうことをやりましょう」という意見が出る方が活性化すると思うので、そういう環境を作りたいと考えています。

スタッフが「やりたい」と言ったことに対して、判断基準として「いいと思う」なら「じゃあやろう」という感じです。なるべく意思決定とチェックだけにして、あとはサポートしていけたらと思っています。ただ、実際にはまだまだ私が細かいところまで関わらざるを得ない状況ですが。

━━どのような人材を求めていますか?

(重松さん)
明るくて元気な人を求めていますただ、そうでない人も必要ですね。組織としてはルールを守れる人が大前提で、現場では元気で明るい人、事務系では真面目で勤勉な人が理想です。

常連客に愛され続ける12年のベテランスタッフ

常連客に愛され続ける12年のベテランスタッフ
従業員 円満(えんま)さん(以下、円満さん)

続いて、12年間勤務されている円満さんにお話を伺いました。現在は日本のへそ公園近くの西脇北店で所長として勤務されており、お客様との深い関係性づくりをされています。

━━入社のきっかけを教えてください

━━入社のきっかけを教えてください

(円満さん)
もともと姫路で葬儀屋の仕事をしていました。その後、実家の加西に戻ってくることになり、母親が「シゲマツという会社が求人募集してるみたい」という話を聞きました。

以前から車をいじったり、触ったりすることに興味があったので、入社を決めました。車を自分で洗車したり、ちょっとしたメンテナンスをしたりするのが好きだったんです。全く未経験でしたが、興味があったので挑戦してみようと思いました。

━━現在のお仕事内容を教えてください

(円満さん)
メインの仕事は店頭業務で、給油、洗車、オイル交換、タイヤ交換などが日常的な業務です。朝7時から夕方6時半ぐらいまでの勤務で、現在は所長として店舗を任されています。

スタッフは私以外に正社員が1人、パートの女性が1人の3人体制です。勤続年数で言うと私が一番長く、責任者として店舗運営全般を担当しています。月6日休みのシフト制で、第1・第3日曜が定休日、あとはシフトで調整して休みを取っています。

お客様との深いつながりがやりがい

お客様との深いつながりがやりがい

━━仕事でのやりがいは何ですか?

(円満さん)
一番はお客さんから「ありがとう」と言ってもらえることですね。洗車できれいにしてあげたいという気持ちでやった時に、「めっちゃきれいだったわ」と言ってもらえると、こちらも嬉しくなります。

お客様に「シゲマツさんに相談して本当に良かった」と言ってもらえた時は、この仕事をやっていて良かったと心から思いました。

また、最初は給油や洗車という短い時間の接客がメインでしたが、だんだんと車検や整備の仕事を任せてもらえるようになって、お客様との関係も深くなっていきました。信頼関係が築けているお客様から「今度もお願いします」と言ってもらえると、12年やってきて良かったなと思います。

給油だけの付き合いでは見えないところが、車検などの作業を通じて、お客さんの本音を聞くことができます。「費用を抑えたい」といった相談に応えて、「シゲマツさんにお願いしてよかった」と評価をもらえるのが、大きなやりがいです。

━━常連のお客さんが多いですか?

ガソリンを入れるスタッフ

(円満さん)
はい、ほぼ常連さんです。175号線沿いなので営業車の一見さんもいらっしゃいますが、一般のお客さんはほとんど常連さんですね。中には30年、40年前からお付き合いしているお客さんもいらっしゃいます。

僕はまだ12年なので、そういう長いお付き合いのお客さんと比べるとまだペーペーです。今までの人がやってきたことがあって続いているので、僕の代で途切れさせるわけにはいけないと思っています。

地域の皆さんに支えられて今があるので、その恩返しの気持ちで、一人ひとりのお客様を大切にしたいと思っています。新規のお客様も大切ですが、長年お付き合いいただいているお客様との関係を維持し続けることが、この地域で商売をさせていただく上で一番重要です。

技術向上への探究心

技術向上への探究心

━━お仕事で工夫されていることはありますか?

(円満さん)
洗車やエアコンクリーニングの技術向上のために、YouTubeで勉強しています。洗車をめちゃくちゃしている人の動画を見て、「今こんな溶剤があるんや」「こんな道具使ってみたい」と思ったら、社長には内緒で個人的に買って会社で試してみることもありました(笑)

より良い方法を見つけたら提案するようにしています。綺麗にするという結論は決まっているので、そこまでの過程で時短やより綺麗な仕上がりを追求するのが好きなんです。

新しい溶剤を試してみて、「こんなにも違うのか」と驚くことがよくあります。これまで取れなかった汚れがスパンときれいに落ちたり、塗装へのダメージも少なかったりと、日々発見があって楽しいですね。

━━技術への探究心が素晴らしいですね

(円満さん)
自分の車やタンクローリーで事前に試してから、お客様の車に使うようにしています。失敗するわけにはいきませんからね。でも、そういう試行錯誤の過程が楽しいんです。根本的に車をきれいにすることが好きなんだと思います。

━━今後の目標を教えてください

(円満さん)
6月から始まったエアコンクリーニング事業をもっと充実させて、お客さんとの関係でさらに踏み込める環境を作っていきたいです。店頭での給油や洗車だけでなく、もう一つ踏み込んだ関係性を築いていければと思います。

━━これから入社を考えている方にメッセージをお願いします

これから入社を考えている方にメッセージをお願いします

(円満さん)
一緒に高め合っていける人と仕事したいですね。小さいことでも「今まで通りよりも、こうした方が良いのでは?」と自分なりの意見を持って言ってくれる人。そこでスタッフ同士で意見を揉んで、接客や洗車のクオリティなど、いいものを一緒に作っていける人と働きたいです。

63年の歴史を持つ株式会社シゲマツは、伝統を大切にしながらも時代の変化に対応した新しい挑戦を続けています。重松さんの「みんなが輝いて働けるように」という思いと、円満さんのような長年のキャリアを持つスタッフの技術と経験、そして新たなエアコンクリーニング事業への挑戦が、この会社の大きな強みとなっています。

地域密着型の経営を貫きながら、働きやすい環境づくりにも積極的に取り組む同社。コロナ禍を乗り越え、カーボンニュートラル時代に向けた準備も着実に進めており、今後の更なる発展が期待される企業です。従業員一人ひとりが輝ける職場で、地域の皆様に愛され続ける会社として、これからも成長を続けていくことでしょう。

会社名株式会社シゲマツ
所在地兵庫県加東市曽我314(本社)
設立昭和37年
事業内容出光興産株式会社販売店(フルサービス・セルフサービス)、ガソリン・洗車・軽油・灯油・重油・各種工業用オイル(切削油、作動油、洗浄油など)、車検・新車中古車販売・プロパンガス販売・エアコンクリーニング事業
電話番号0795-48-4910
代表取締役重松祐介
ホームページhttps://atcompany.jp/shigematsu/

※本記事に記載されている個人的な内容については、ご本人様の同意を得たうえで掲載しております。

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この記事を書いた人

杉山 将平のアバター 杉山 将平 ライター

Webエンジニア / ライター
30社以上のWebサイトを制作 / アマゾンでKindle出版→カテゴリー部門で2冠達成 / セミナー講師 / レンタルスペース運営 / ホームページの定額サービス開始

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